「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)」に基づく一般社団法人・一般財団法人制度は、2008年12月25日の施行以降、剤余金の分配を目的としない団体であれば、公益性の有無にかかわらず登記だけで法人格を取得できる「準則主義」を採用しています。ここでは両法人の設立手続きと機関設計のポイントを図表で整理します。
一般社団法人の設立手続き
設立時社員は2人以上必要ですが(自然人・法人とも可)、設立後に1人に減っても法人は存続します。一方で社員が0人(社員欠損)になると解散事由となります。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1 | 定款作成→公証人の認証 |
| 2 | 設立時理事(監事・会計監査人を置く場合は合わせて)の選任 |
| 3 | 設立手続の調査 |
| 4 | 主たる事務所所在地を管轄する法務局への設立登記申請 |
機関設計のパターン(必ず社員総会・理事1人以上)
| パターン | 構成 |
|---|---|
| ① | 社員総会+理事 |
| ② | 社員総会+理事+監事 |
| ③ | 社員総会+理事+監事+会計監査人 |
| ④ | 社員総会+理事+理事会+監事 |
| ⑤ | 社員総会+理事+理事会+監事+会計監査人 |
なお、負債合計が200億円以上となる大規模法人では、会計監査人の設置が義務付けられます。
一般財団法人の設立手続き
一般財団法人は設立者が拠出する財産によって成立します。設立時の拠出財産の合計は300万円以上であることが必須要件です。自然人・法人のいずれも設立者になれますが、遗言による設立は個人に限られます。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1 | 定款作成→公証人の認証 |
| 2 | 設立者による財産(300万円以上)の拠出履行 |
| 3 | 設立時評議員・理事・監事(会計監査人を置く場合は合わせて)の選任 |
| 4 | 設立時理事・監事による設立手続の調査 |
| 5 | 設立時代表理事による設立登記申請 |
機関設計(必ず評議員・評議員会・理事・理事会・監事)
| パターン | 構成 |
|---|---|
| ① | 評議員+評議員会+理事+理事会+監事 |
| ② | 評議員+評議員会+理事+理事会+監事+会計監査人 |
評議員は役員(理事・監事)及び会計監査人の選任・解任などを決議します。一般社団法人のような「基金」制度はなく、代わりに定款で定めた「基本財産」(理事が維持義務を負う財産)を任意で設定できます。
両法人共通のルール
| 項目 | 一般社団法人 | 一般財団法人 |
|---|---|---|
| 最高決議機関 | 社員総会 | 評議員会 |
| 理事の任期 | 選任後2年以内の定時総会(評議員会)終結まで(定款で短縮可) | |
| 監事の任期 | 選任後4年以内の定時総会(評議員会)終結まで(定款で、2年まで短縮可) | |
| 名称規制 | 「一般社団法人」「一般財団法人」の表記が必須。他方の種別と誤認される名称は使用不可 | |
| 剤余金分配 | 定款でも規定不可(利益は法人活動に充当) | |
| 合併 | 同種法人同士(社団・財団それぞれ)のみ可。他法人(NPO・株式会社等)との合併は不可 | |
解散事由の違い
両法人とも存続期間満了や破産手続開始決定などの共通事由に加え、次のような団体固有の事由があります。
| 法人種別 | 固有の解散事由 |
|---|---|
| 一般社団法人 | 社員総会の解散決議、社員が0人になったとき(社員欠損) |
| 一般財団法人 | 純資産額が2期連続で300万円未満となったとき。設立者の目的実現のため、社員総会のような自主解散決議はできません |
なお、両法人とも最終の登記から5年を経過すると、一定の手続を経て休眠法人として解散みなされる可能性があります。定款作成や機関設計は法人の目的や事業規模によって最適な形が異なりますので、設立をご検討の際はお気軽にご相談ください。
