財務省が公表した「令和8年度税制改正」のうち、消費課税に関わる主な改正内容を図表を交えてわかりやすく解説します。越境電子商取引に係る消費税の適正化、インボイス制度の経過措置の見直し、自動車重量税のエコカー減税見直し、国際観光旅客税の税率引上げが主なポイントです。
(1)国境を越えた電子商取引に係る消費税の適正化
①少額免税制度の見直し 円滑な通関を維持しつつ、国内の小売事業者との公平な競争環境を確保するため、国境を越えて行われる通信販売のうち、1万円以下の商品について、諸外国と同様、販売者に消費税の納税義務を課すこととし、令和10年4月1日から適用を開始します(1万円超の商品は、引き続き輸入時に課税)。
②物品販売に係るプラットフォーム課税 プラットフォームを介する物品販売で生じている国外事業者の無申告への対処や少額免税制度の見直しに伴う適正課税の確保の観点から、これらの取引を仲介するプラットフォーム事業者に消費税の納税義務を転換することとし(プラットフォーム課税)、令和10年4月1日から適用を開始します。対象は、物品販売の合計額が50億円超のプラットフォーム事業者です。
(2)インボイス制度導入に係る経過措置の見直し
①2割特例の見直し インボイス発行事業者となった小規模事業者に関する経過措置(いわゆる2割特例)については、事務負担への配慮がより必要と考えられる個人事業者について、納税額を売上税額の3割とする(仕入割合を7割とみなす)ことができる経過措置として、さらに2年延長します(令和9・10年分申告において利用可能)。
②8割控除の見直し 免税事業者からの課税仕入れに係る税額控除に関する経過措置(いわゆる8割控除)については、段階的に縮減する方向性は確保しつつ、最終的な適用期限を2年延長した上で引下げペース・幅を緩和するとともに、1免税事業者ごとの仕入れに係る年間適用上限額を1億円に引き下げます(改正前10億円)。
| 期間 | 控除割合 |
|---|---|
| ~令和8年9月(R8.10まで) | 80% |
| 令和8年10月~令和10年9月 | 70% |
| 令和10年10月~令和12年9月 | 50% |
| 令和12年10月~令和13年9月 | 30% |
(3)自動車重量税のエコカー減税の見直し
電動車の一層の普及促進を図る観点から、令和8年5月から減免区分の基準となる2030年度燃費基準の達成度を引き上げた上でエコカー減税の適用期限を2年延長します。達成度の引上げのうち一部については、令和9年5月から行われます。EV・FCV・PHV・CNG車は引き続き達成度要件なしで2回免税となる一方、ガソリン車・LPG車・ディーゼル車は達成度要件が段階的に引き上げられます。
(4)国際観光旅客税の税率の引上げ
オーバーツーリズム対策の強化やアウトバウンド施策の充実をはじめとした観光施策に必要となる財源を確保するため、国際観光旅客税の税率を出国1回につき1,000円から3,000円へ引き上げます。事業者の準備期間等を考慮し、令和8年7月1日以後の出国に適用します(同日より前に締結された一定の運送契約に基づく同日以後の出国は旧税率を適用)。
出典 財務省「令和8年度税制改正」3 消費課税(https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei2026_pdf/zeisei26_03.pdf)
