海外へ移住し「非居住者」となる際、一定の資産を保有する方には、含み益に対して所得税が課税される「国外転出時課税制度」が適用される場合があります。制度の概要と実務上の留意点をまとめました。
国外転出時課税制度の創設
平成27年度税制改正により創設された制度で、平成27年7月1日以後に国外転出(国内に住所及び居所を有しないこととなること)をする一定の居住者が、1億円以上の対象資産(有価証券等)を所有等している場合、その対象資産の含み益に所得税及び復興特別所得税が課税されます。
贈与・相続・遺贈の場合も対象に
1億円以上の対象資産を所有等している一定の居住者から、国外に居住する親族等(非居住者)へ贈与、相続又は遺贈によりその対象資産の一部又は全部の移転があった場合にも、その移転部分の含み益に所得税及び復興特別所得税が課税されます。
納税猶予制度
国外転出時課税の申告をする方が、国外転出等の時までに納税管理人の届出をするなど一定の手続を行い、担保を提供した場合には、国外転出時課税の適用により納付することとなった税額について、納税を猶予することができます。
実務上のポイント
海外移住や海外赴任により非居住者となる予定があり、有価証券等の保有資産が1億円以上になる場合は、出国前に申告義務の有無や納税猶予手続の要否を確認しておく必要があります。該当するかどうかのご相談は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。
