文部科学省が公表している「学校法人会計基準等のQ&A」には、実務上迷いやすい論点が多数まとめられています。今回はその中から特に実務に関わりの深いポイントを抜粋してご紹介します。
引当金の計上要件
役員賞与や退職金等に対する引当金は、次の4要件を満たす場合に計上することが適切とされています。①将来の特定の事業活動支出であること、②当該年度以前の事象に起因すること、③発生可能性が高いこと、④金額を合理的に見積もれること。賞与引当金についても、規程が整備され発生可能性が高く金額が合理的に見積もれる場合は計上が適切とされますが、最終的な判断は各学校法人の経営・財務状況に応じた個別判断となります。
勘定科目の設定は柔軟に
賞与引当金や対応する特定資産の勘定科目名について、全国一律の統一は予定されておらず、各学校法人が実態に応じて適当な科目を設定してよいとされています。なお、賞与引当金に対応する資産は、固定資産の特定資産ではなく流動資産として計上する方が、貸借対照表上の流動資産・流動負債の対比の観点から有用とされています。
セグメント情報の開示
文部科学大臣所轄学校法人では、セグメント情報の公表が私立学校法上義務付けられています。医学部等・附属病院については、大学セグメントの内数として「うち、医学部等及び附属病院」を設けて表示することとされ、実態が見えにくい場合は脚注での補足も認められています。兼務職員の人件費は、勤務実態を反映した配分基準に基づき各セグメントへ配分します。
子法人・財産目録・予算
会計期間中に子法人に該当する法人がある場合は注記が必要ですが、重要性の乏しい取引関連図は記載を一部省略できます。財産目録は区分表示項目(第45条)の遵守が必要な一方、科目名や記載順序は各法人の実態に応じて調整可能です。また、予算の様式について省令上の定めはなく、各学校法人がこれまで使用してきた様式を継続して差し支えありません。
制度改正に伴う実務対応でお悩みの際は、当事務所までご相談ください。
