お電話でのご相談・お問い合わせ

電話アイコン03-3426-5485

受付時間 9:00-17:00(土日祝休)

無料相談のご予約 お問い合わせフォームへ

宗教法人の運営

宗教法人の包括関係を解消するには?公告・通知の手順と承認が不要な理由

宗派や教団の傘下にある寺院・神社から、「独立を検討しているが、本山の同意が得られなければ難しいのではないか」というご相談をいただくことがあります。この包括関係の解消は、宗教法人法に手続がはっきり定められており、進め方さえ押さえておけば決して不透明なものではありません。今回は、包括関係を解消する際の手続の流れと、実務でとくに誤解されやすい点を整理してご紹介します。

包括関係とは

寺院や神社が宗派・教団などの傘下に入っている場合、その関係を「包括関係」といいます。傘下にある側の法人を被包括宗教法人、傘下に置いている側の団体を包括宗教団体と呼びます。この関係は、それぞれの法人の規則に記載されているため、包括関係を解消するということは、すなわち規則に定められた包括関係の記載をなくすこと、つまり「規則の変更」を行うことを意味します。

解消は「規則の変更」として進める

規則の変更は、規則で定められた手続を経たうえで所轄庁の認証を受けることで効力が生じます。ただし包括関係の解消の場合は、通常の規則変更に加えて、公告と通知という二つの手続が上乗せされます。

公告は、信者その他の利害関係人に対して規則変更の案の要旨を示して行うもので、所轄庁へ認証を申請する日の少なくとも2か月前までに済ませておく必要があります。通知は包括団体に対して行うもので、この公告と同時に行わなければなりません。したがって全体としては、責任役員会の議決などの内部手続を経てから公告と通知を行い、2か月以上の期間を置いたうえで所轄庁へ認証を申請する、という順序になります。

包括関係を解消するときの手続の流れを示す図:規則で定める内部手続、信者への公告と包括団体への通知、2か月以上の期間、所轄庁への認証申請という順に進み、包括団体の承認は不要であることを示す

包括団体の承認は必要ない

実務上もっとも誤解が多いのが、包括団体の同意がなければ離脱できないのではないか、という点です。包括関係を新たに設定する場合には相手方の宗教団体から承認を受ける必要がありますが、解消する場合に求められるのは通知だけで、承認は必要とされていません。

さらに、規則の中に包括団体の承認を要する旨の定めが置かれている場合であっても、包括関係の解消についてはその定めに従うことを要しないとされています。所轄庁の審査も、変更内容が法令に適合しているか、公告や通知を含む手続が正しく踏まれているかを確認するものであり、包括団体の意向によって左右されるものではありません。

項目包括関係の設定包括関係の解消
相手方の宗教団体承認が必要通知のみ(承認は不要)
信者等への公告認証申請の2か月前までに必要認証申請の2か月前までに必要
承認・通知の時期認証を申請する前まで公告と同時
所轄庁の認証必要必要

手続を進めるうえでの注意点

手続の枠組み自体は明確ですが、後の紛争につながりやすいのは内部手続の不備です。責任役員会の招集や議決が規則どおりに行われているか、議事録が整っているかを、着手前に確認しておくことをおすすめします。認証申請の際には、規則で定める手続を経たことや、公告と通知を行ったことを証する書類の添付が求められるため、日付の記録も含めて丁寧に残しておくことが大切です。

また、法人の名称に宗派名が含まれている場合は名称の変更を伴うことになり、認証を受けた後に登記も必要になります。境内地や建物の名義が包括団体側にある場合の所有権の整理、僧籍や教師資格といった宗教上の地位の取扱いなどは、規則変更の手続とは別に検討すべき問題として残ります。これらは法人としての手続とあわせて、早い段階から全体像を描いておくと進めやすくなります。

まとめ

包括関係の解消は規則の変更として行い、信者等への公告と包括団体への通知を同時に済ませたうえで、2か月以上を置いて所轄庁へ認証を申請します。包括団体の承認は必要なく、規則に承認を要する定めがあってもそれに縛られません。一方で、内部手続の適正さや、名称変更に伴う登記、財産の名義の整理など、あわせて確認すべき事項は少なくありません。宗教法人の規則変更や事務運営についてご不明な点がございましたら、当事務所までお気軽にご相談ください。

-宗教法人の運営