宗教法人は、毎年、一定の書類を所轄庁へ提出する義務があります。今回は文化庁の解説をもとに、提出書類の内容や期限、注意点を整理してご紹介します。
書類提出の根拠
平成7年の宗教法人法改正により、宗教法人は毎会計年度終了後4か月以内に、事務所に備え付けている書類の一部の写しを所轄庁へ提出することとされました(宗教法人法第25条第4項)。法律で定められた書類を作成・備付けしなかった場合や、不実の記載をした場合には、法人の代表者に10万円以下の過料が科される可能性があります。
提出が必要な書類
- 役員名簿:代表役員・責任役員のほか、規則で定める議決機関の構成員や監事などについても作成が必要です
- 財産目録:毎会計年度終了後3か月以内に作成する、法人の資産・負債の一覧です
- 収支計算書:一年間の収入・支出の明細表です。ただし、収益事業を行っておらず年間収入が8千万円以内の法人は、当分の間、作成義務が免除されています(作成している場合は提出が必要です)
- 貸借対照表:作成している場合に限り提出対象となります(作成は任意)
- 境内建物に関する書類:財産目録に記載のない境内建物がある場合にのみ必要です
- 事業に関する書類:公益事業や収益事業を行っている場合にのみ必要です
提出期限と提出先
提出期限は毎会計年度終了後4か月以内です。会計年度は各法人の規則で定められているため、自法人の規則を確認しておく必要があります。提出が遅れた場合は所轄庁から督促がなされますが、その際は速やかに提出してください。決算に関する総会等の内部手続きが終わっていない場合でも、期限内の提出が優先されます。提出は原則郵送で行い、文部科学大臣所轄法人は文化庁へ、それ以外の法人は主たる事務所所在地の都道府県の宗教法人事務主管課へ提出します。
提出にあたっての注意点
提出するのはあくまで事務所備付け書類の「写し」です。原本そのものを提出してしまうと備付け義務違反となるため、コピーを取るなどして写しを提出してください。また、前年度から内容に変更がない場合であっても、毎年度の提出が必要です。
書類の作成・提出でご不明な点があれば、当事務所までお気軽にご相談ください。
