消費税には、標準税率10%と軽減税率8%の2つの税率があります。飲食料品を扱う事業者はもちろん、請求書や領収書を発行するすべての事業者にとって、軽減税率と適格請求書(インボイス)の記載ルールを正しく理解しておくことは重要です。今回は、消費税の軽減税率の基本と、請求書に記載すべき内容について、図表を交えてわかりやすく整理しました。
標準税率と軽減税率の内訳
消費税は「消費税(国税)」と「地方消費税」を合わせたものです。標準税率10%・軽減税率8%は、それぞれ次のような内訳になっています。
| 区分 | 消費税(国税) | 地方消費税 | 合計税率 |
|---|---|---|---|
| 標準税率 | 7.8% | 2.2% | 10% |
| 軽減税率 | 6.24% | 1.76% | 8% |
軽減税率(8%)の対象となる主なもの
軽減税率の対象は、大きく分けて「飲食料品(酒類・外食を除く)」と「定期購読契約に基づく新聞」です。
- 生鮮食料品(魚、豚肉、野菜、果物など)
- 加工食品(ヨーグルト、カップラーメンなど)
- 飲料(酒類を除く)
- 週2回以上発行され、定期購読契約に基づいて配達される新聞
一方、お酒(酒類)や、レストランなどでの外食、ケータリング・出張料理は軽減税率の対象外で、標準税率10%が適用されます。同じ食品でも、持ち帰り(テイクアウト)は軽減税率8%、店内飲食(イートイン)は標準税率10%となる点に注意が必要です。
請求書(インボイス)に記載すべき内容
軽減税率の対象品目を扱う事業者が発行する請求書には、次の内容を記載する必要があります。
- 発行事業者の氏名・名称および登録番号
- 取引を行った年月日
- 取引内容(軽減税率の対象品目である旨がわかる表示)
- 税率ごとに区分して合計した対価の額および適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等
- 書類の交付を受ける事業者の氏名・名称
手書きの領収書であっても、これらの項目が記載されていれば請求書(インボイス)として認められます。
記載例:税率ごとに区分するとこうなる
| 品目 | 税率 | 金額(税抜) |
|---|---|---|
| トマト・ピーマン | 8%(軽減税率対象) | 1,200円 |
| ヨーグルト・カップラーメン | 8%(軽減税率対象) | 800円 |
| キッチン用洗剤 | 10%(標準税率) | 500円 |
このように、軽減税率の対象品目とそれ以外の品目が混在する場合は、税率ごとに金額を区分して合計し、それぞれの適用税率と消費税額を明記する必要があります。なお、消費税額の端数処理は、1枚の請求書につき、税率ごとに1回ずつ行います。
請求書の保存期間
発行した請求書の写しや、電子データによる請求書は、原則としてその課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から7年間、保存しておく必要があります。
軽減税率とインボイス制度への対応は、日々の経理処理や請求書発行の実務に直結する部分です。自社の請求書・領収書の記載内容に不安がある場合は、お気軽に専門家へご相談ください。
