社会福祉法人には、法人内部に必要以上の財産を過大に留保することのないよう、毎年度、再投下可能な財産の有無を確認し、ある場合にはその使い道を計画としてまとめる「社会福祉充実計画」の制度があります。今回は、この社会福祉充実計画の仕組みと手続きについて、図表を交えてわかりやすく整理しました。
社会福祉充実計画とは
社会福祉法第55条の2に基づき、社会福祉法人は毎会計年度、事業の継続に必要な財産を差し引いたうえで、再投下が可能な財産(社会福祉充実財産・社会福祉充実残額)があるかどうかを算定しなければなりません。再投下可能な財産がある場合は、その使い道を「社会福祉充実計画」としてまとめ、所轄庁の承認を受けたうえで実行する必要があります。
再投下可能な財産の算定方法
再投下可能な財産の有無は、毎会計年度末に、その年度の計算書類をもとに「社会福祉充実残額算定シート」という所定の様式を使って算定します。事業の継続に必要な財産(建物の再取得や運転資金など)を差し引いた残りが、再投下可能な財産となります。
計画の提出期限
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出期限 | 毎会計年度終了後3か月以内(3月31日決算の場合は6月30日まで) |
| 提出書類 | 計算書類等とあわせて所轄庁へ提出 |
再投下先には優先順位がある
再投下可能な財産の使い道は、次の優先順位で検討する必要があります。
| 順位 | 使い道 | 内容 |
|---|---|---|
| 第1順位 | 社会福祉事業 | 法人が現在行っている社会福祉事業への再投下 |
| 第2順位 | 地域公益事業 | 日常生活または社会生活上の支援を必要とする地域住民に対して、無料または低額な料金で行う福祉サービス |
| 第3順位 | 公益事業 | 上記に該当しないその他の公益的な事業 |
再投下可能な財産の具体的な使い道としては、職員の処遇改善、新規職員の採用、施設の建替えなどが挙げられます。
地域協議会との関わり
所轄庁は、地域における福祉ニーズや必要なサービスの内容、関係機関との連携などについて協議するため「地域協議会」を設置しています。社会福祉充実計画のうち、特に地域公益事業を検討する際には、この地域協議会での意見交換の内容が参考にされます。
手続きの流れ(目安)
- 会計年度末に、その年度の計算書類をもとに再投下可能な財産の有無を算定する
- 再投下可能な財産がある場合、優先順位に沿って使い道を検討する
- 社会福祉充実計画を作成する
- 計算書類等とあわせて、会計年度終了後3か月以内に所轄庁へ提出し、承認を受ける
- 承認された計画に基づき、再投下を実行する
再投下可能な財産の算定や計画の作成には、法人の財務状況を正確に把握することが欠かせません。決算のタイミングにあわせて、早めに専門家へご相談いただくことをおすすめします。
