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社会福祉法人の会計・税務・監査

社会福祉法人への資産の寄附と譲渡所得税の非課税特例

土地や建物、株式などの財産を売却すると、値上がりした部分(値上がり益)に対して譲渡所得税がかかります。実は、個人が財産を無償で法人に寄附した場合も、税務上は「時価で譲渡したもの」とみなされ、本来は同じように譲渡所得税が課税されます。しかし、社会福祉法人など公益性の高い法人への寄附については、一定の要件を満たせば、この譲渡所得税が非課税になる特例があります。今回は、社会福祉法人へ財産を寄附する場合の非課税の特例について、図表を交えてわかりやすく解説します。

特例の名称と基本的な仕組み

この制度は「租税特別措置法第40条の規定による譲渡所得等の非課税の特例」と呼ばれています。個人が社会福祉法人などに土地・建物・株式といった財産を寄附し、一定の要件を満たして国税庁長官の承認を受けると、寄附した財産の値上がり益に対する譲渡所得税が課税されません。

特例には2つのタイプがある

区分対象ポイント
一般特例社会福祉法人を含む公益法人等への寄附寄附が社会福祉等の向上に「著しく寄与」することなど、4つの公益性の基準を満たす必要がある
承認特例社会福祉法人・学校法人・公益社団法人・公益財団法人・認定NPO法人など寄附財産を社会福祉法人会計基準に基づき「基本金」に組み入れるなど、一定の管理方法をとることで、一般特例より手続きが明確化されている

一般特例で公益性が認められるための4つの基準

  1. 公益目的事業の規模:社会福祉法に基づく社会福祉事業の運営など、その地域や分野で社会的に認知される規模で公益目的事業を行っていること
  2. 公益の分配:利益を特定の人に限定せず、広く支援を必要とする人に還元していること
  3. 事業の営利性がないこと:対価が事業運営に必要な費用の範囲を超えず、営利事業的な性格を持たないこと
  4. 法令の遵守等:法令違反や公益に反する事実がないこと

承認特例における社会福祉法人特有の要件

  • 寄附者が、その社会福祉法人の役員や職員、親族など「特別の関係がある者」に該当しないこと
  • 寄附を受けた財産を、社会福祉法人会計基準に基づき「基本金」に組み入れること
  • 社会福祉法人の理事会などで、寄附を受け入れて基本金に組み入れる旨を正式に決定していること
  • 申請から1か月以内に国税庁長官から不承認の通知がない場合は、承認があったものとみなされること

手続きの流れと期限の目安

項目期限の目安
承認申請書の提出寄附があった日から4か月以内(それより早く確定申告期限が来る場合はその期限まで)
寄附財産を公益目的事業に使用開始寄附があった日から2年以内
承認特例の場合のみなし承認申請から原則1か月以内に不承認の通知がなければ承認とみなされる

申請書は第1表(寄附者に関する事項)から第17表(確認事項のまとめ)まで複数の様式で構成されており、原則として3部提出する必要があります。

承認が取り消されるとどうなるか

寄附財産が2年以内に公益目的事業に使われなかった場合や、非課税の要件を満たさなくなった場合には、承認が取り消され、寄附者または社会福祉法人に対して譲渡所得税が課税されることがあります。寄附を行う際は、財産の使い道や基本金への組み入れ方法について、事前に社会福祉法人側とよく確認しておくことが重要です。

社会福祉法人への寄附をご検討の際は、非課税特例の適用要件や手続きについて、事前に専門家へご相談いただくことをおすすめします。

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