2020年(令和2年)に新設された「配偶者居住権」は、被相続人の配偶者が自宅に住み続けられる権利です。相続税の申告にあたっては、この権利および関連する不動産をそれぞれ個別に評価する必要があります。国税庁タックスアンサーNo.4666「配偶者居住権等の評価」に基づき、評価方法を図表で整理します。
評価が必要な4つの財産
配偶者居住権が設定された不動産は、相続税の計算上、次の4つに分けて評価します。
- 配偶者居住権(配偶者が建物を使用する権利)
- 居住建物(所有者側に残る、負担の付いた建物の権利)
- 敷地利用権(配偶者が敷地を使用する権利)
- 敷地の土地(所有者側に残る、負担の付いた土地の権利)
評価額の計算式
| 財産 | 計算式 |
|---|---|
| 配偶者居住権の価額 | 居住建物の相続税評価額-居住建物の相続税評価額×(耐用年数-経過年数-存続年数)÷(耐用年数-経過年数)×存続年数に応じた法定利率による複利現価率 |
| 居住建物の価額 | 居住建物の相続税評価額-配偶者居住権の価額 |
| 敷地利用権の価額 | 敷地の相続税評価額-敷地の相続税評価額×存続年数に応じた法定利率による複利現価率 |
| 敷地(所有権)の価額 | 敷地の相続税評価額-敷地利用権の価額 |
計算例(建物2,000万円・土地5,000万円のケース)
耐用年数33年、経過年数10年、存続年数12年、複利現価率0.701とした場合の計算例です。
| 項目 | 評価額 |
|---|---|
| 配偶者居住権 | 1,329万4,783円 |
| 居住建物 | 670万5,217円 |
| 敷地利用権 | 1,495万円 |
| 敷地(所有権) | 3,505万円 |
実務上のポイント
- 建物や土地が賃貸併用・共有となっている場合は、床面積割合や持分割合を乗じて評価額を調整します。
- 耐用年数は、建物の構造に応じて定められた年数(減価償却資産の耐用年数の1.5倍)を用います。
- 存続年数は、配偶者居住権の存続期間(終身の場合は配偶者の平均余命など)に応じて定まります。
- 複利現価率は、存続年数と法定利率に応じて定められた数値を用います。
出典:国税庁タックスアンサー No.4666「配偶者居住権等の評価」
