個人開業医が医療法人化することで、役員報酬による所得分散や、法人ならではの税制優遇を活用でき、節税効果が期待できます。
医療法人化の主なメリット
- 役員報酬による所得分散
- 個人事業より緩やかな超過累進税率の適用(法人税率)
- 退職金の活用による将来の税負担軽減
- 分院展開など事業拡大のしやすさ
医療法人化のデメリットも押さえる
医療法人には剰余金の配当が禁止されており、法人の利益を自由に個人へ移すことはできません。設立には都道府県の認可が必要で、認可のスケジュールは年に限られた回数しかありません。設立後は毎年の事業報告書等の届出や、決算・登記の手続きも発生します。手取りを増やす目的だけで判断すると、事務負担の増加に見合わないこともあります。
役員報酬の設定がカギ
医療法人では、理事長やご家族への役員報酬をどう設定するかで、法人と個人を合わせた税負担が大きく変わります。報酬を高くすれば法人の利益は圧縮されますが、個人の所得税・住民税と社会保険料は増えます。逆に低くしすぎると法人に利益が残り、将来の出資持分の評価額が上がります。
持分あり・持分なしの違い
平成19年の医療法改正以降に設立される医療法人は、原則として持分の定めのない医療法人となります。持分ありの医療法人では出資持分が相続財産となり、法人の利益の蓄積が相続税の負担に直結します。既存の持分あり医療法人については、持分なしへの移行を後押しする制度も設けられています。
検討の進め方
- 現在の所得水準と今後の見通しの確認
- 法人化した場合の税・社会保険料のシミュレーション
- 設立認可のスケジュールの確認
- 設立後の運営体制(事務手続き・会計体制)の整備
よくあるご質問
Q. どのくらいの所得から法人化を検討すべきですか。
A. 一律の基準はありません。所得水準に加えて、家族への給与の有無、社会保険料の負担、設備投資の予定などを含めて試算したうえで判断します。
Q. 医療法人化すると医業以外の事業もできますか。
A. 医療法人が行える業務は法令で定められた範囲に限られます。範囲外の事業を行う場合は、別法人の設立を検討することになります。
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