「NPO法人」という言葉はよく耳にしますが、その制度の中身は意外と知られていません。今回は川崎市の解説ページをもとに、NPO法人制度の基本をQ&A形式で整理してご紹介します。
NPOとNPO法人の違い
NPO(Non-Profit Organization)とは、営利を目的としない組織全般を指す言葉です。「営利を目的としない」とは、活動で得た利益を構成員に分配せず、必要経費に充てたうえで生じた剰余金は翌年度の事業に使うという意味であり、無償でサービスを提供しなければならないということではありません。
これに対し「NPO法人」(正式名称:特定非営利活動法人)は、NPO法(特定非営利活動促進法)の要件を満たして法人格を取得した団体を指します。法人格を得ることで、団体名義での契約や不動産登記が可能になる一方、定款の目的範囲内でしか事業ができない、情報公開が義務付けられるといった制約も生じます。
NPO法人になれる条件
NPO法人として認められるには、次の条件を満たす必要があります。
- 営利を目的とせず、「不特定かつ多数」の利益の増進に寄与する活動であること(自治会や同窓会のような共益・私益目的の団体は対象外)
- 保健・医療・福祉、まちづくり、環境保全、子どもの健全育成など、NPO法が定める20分野の「特定非営利活動」に該当する活動を行うこと
- 社員(総会の議決権を持つ構成員)が10人以上いること
- 役員として理事3人以上・監事1人以上を置くこと(役員に占める親族の割合にも制限あり)
なお、設立申請にあたって過去の活動実績は求められません。2年度分の事業計画書・活動予算書を提出し、所轄庁(都道府県又は政令指定都市)による書面審査を受けます。申請から認証・不認証の決定まで最長2か月半程度かかり、認証後に法務局で設立登記を行うことで法人が成立します。
NPO法人にかかる税金
NPO法人は課税対象の法人ですが、税法上の収益事業を行わない場合は法人税等は課税されません。事業内容によっては税額が軽減される場合もあるため、詳細は所轄の税務署等にご確認ください。
認定・特例認定・条例指定制度
一定の基準を満たしたNPO法人は、「認定NPO法人」「特例認定NPO法人」「条例指定NPO法人」となることで、寄附者側に税制優遇(所得税の軽減、法人の損金算入限度額拡大、個人住民税の寄附金控除など)が適用され、寄附を集めやすくなります。認定は5年ごと、特例認定は3年間・一度限り、条例指定は原則5年ごとの更新が必要です。
NPO法人の設立や運営、税制優遇の活用をご検討の際は、要件が細かく定められているため、事前の確認が重要です。当事務所でもご相談を承っております。
