インボイス制度の開始により、消費税の実務はより複雑になっています。課税事業者・免税事業者の選択や、簡易課税制度の適用可否など、事業実態に応じた検討が必要です。
検討すべきポイント
- 課税事業者・免税事業者の選択(インボイス登録の要否)
- 簡易課税制度・原則課税の有利判定
- 軽減税率対象取引の区分経理
- 高額特定資産取得時の特例の確認
インボイス登録の判断
免税事業者のままでいるか、課税事業者となってインボイスの登録を受けるかは、取引先の構成によって判断が分かれます。取引先が課税事業者中心であれば、登録しないことで取引価格の引下げを求められたり、取引自体を見直されたりする可能性があります。一方、消費者や免税事業者が主な取引先であれば、登録しないという選択も十分にあり得ます。
簡易課税と原則課税の比較
基準期間の課税売上高が一定額以下であれば、簡易課税制度を選択できます。業種ごとに定められたみなし仕入率で仕入控除税額を計算するため事務負担は軽くなりますが、設備投資が多い年は原則課税のほうが有利になることがあります。簡易課税は原則として2年間継続して適用することになるため、届出書の提出前に翌期以降の見通しまで含めた試算が欠かせません。
区分経理の実務
軽減税率の対象となる取引がある場合、帳簿と請求書の両方で税率ごとに区分して記録する必要があります。会議用の茶菓や取引先への手土産、飲食料品の仕入れなど、日常的な取引の中に軽減税率対象が混在するため、経理処理のルールを社内で決めておくと処理が安定します。
届出書の期限に注意
消費税は届出書の提出期限が厳格で、原則として適用を受けたい課税期間が始まる前までに提出する必要があります。期限を過ぎるとその期は適用できません。当事務所では、決算のたびに翌期の有利判定を行い、必要な届出書の提出時期をご案内しています。
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